
女性の憧れる顔を示した「女が憧れるのはこれだよ」という投稿に、共感だけでなく、好みの分け方を問い直す反応も見られます。
そこで本記事では、今回の話題を入り口に、気になる情報や役立つ豆知識などを、以下の4つの構成でご紹介します。
- 女性が憧れる顔を巡る話題の投稿紹介。
- 「幸福感と人とのつながり」に関する2つの豆知識。
幸せは風邪よりうつる!?あなたの笑顔が知らない誰かを救っている科学的理由
友達は天然のワクチン!?手洗いより効果的な免疫力を上げる12の人間関係 - Xのコメントまとめ。
- 筆者の感想。
今回の話題に注目しながら、幸福感や人間関係にまつわる豆知識も身につけていただき、好きなものを語り合う時間について改めて考えるきっかけになれば幸いです。
それでは早速、女性が憧れる顔を巡る投稿から見ていきましょう。
女性が憧れる顔を巡る話題の投稿
今回の顔の好みを巡る話題の投稿をご紹介します👇。
今回の憧れる顔を語り合う投稿をきっかけに、好きな話題を共有する人間関係にも目を向け、幸福感と人とのつながりにまつわる2つの豆知識をご紹介します。
幸せは風邪よりうつる!?
あなたの笑顔が知らない誰かを救っている科学的理由
「幸せは伝染する」と聞くと、身近な人の笑顔につられた経験を思い出すかもしれません。
2008年に発表された研究では、4,739人を1983年から2003年まで追跡したデータを使い、幸福感と人間関係のつながりを分析しました。※1
幸福な人が集まる傾向は、友人の友人、そのさらに先という3段階のつながりまで見られました。※1
ただし、笑顔が誰かを救う効果や、風邪との伝わりやすさの比較を直接調べた研究ではありません。
近くに住む友人の幸福と、自分の幸福が関連する
研究では、約1.6キロメートル以内に住む友人が幸福になった場合、自分が幸福になる確率の上昇が25%と推定されました。※1
この推定の95%信頼区間は1%から57%で、効果の大きさには幅があります。※1
同居する配偶者や近くに住む兄弟姉妹、隣人でも、幸福感との関連が報告されています。※1
一方、職場の同僚同士には、同じ効果は確認されませんでした。※1
つまり、どんな関係でも一律に幸福が伝わると説明することはできません。
身近な人との距離や関係の種類も、結果を理解するうえで重要です。※1
2次、3次のつながりにも幸福感のまとまりが見られた
幸福感の関連は、直接つながっている人だけでなく、友人の友人などにも見られました。※1
研究では、3段階先まで幸福感がまとまって分布する傾向が示されています。※1
これは、自分の幸福を考える際に、周囲の人間関係にも目を向ける手がかりになります。
ただし、誰か一人を笑顔にすれば、会ったことのない人にも決まった確率で幸福を届けられるという意味ではありません。
SNSで投稿を読むだけの場合にも、同じ数値を当てはめることはできません。
対面のつながりを含む社会的ネットワークの分析として受け止める必要があります。
なぜ幸せが広がるように見えるのか
研究者は、親切な行動や感情の共有などが、幸福感の関連に関わる可能性を論じています。※1
幸せな人が周囲を助けたり、相手に優しく接したりすることで、関係が良い方向へ動くという説明です。
また、人は似た状況にいる人と交流したり、同じ出来事の影響を受けたりすることもあります。
研究では統計的な検討が行われていますが、観察データからあらゆる別の説明を排除できるわけではありません。
「幸せの伝染」は、感染症のように原因が一つに特定された現象とは異なります。
日常の交流と幸福感のつながりを考えるための、興味深い研究結果です。
孤独感にも、人間関係を通じた関連が見られる
別の研究では、社会的ネットワークの中で孤独感がまとまって分布する傾向も報告されました。※2
孤独感の関連は、直接のつながりから、3段階先のつながりまで見られています。※2
これは、孤独な人が一定の確率で周囲全員を孤独にするという意味ではありません。
孤独を感じる人を遠ざける根拠として受け止めるべきでもありません。
むしろ、人とのつながりが失われそうなときに、関係を支えることの大切さを考える材料になります。
孤独は本人の性格だけで説明できる問題ではなく、周囲との関係も含めて考える必要があります。
幸福感は、個人の内側だけで完結するものではなく、人間関係と関連することが示されています。※1
ただし、あなたの笑顔が必ず知らない誰かを救う、と証明されたわけではありません。
自分の気持ちと同時に、身近な人が安心して過ごせているかにも目を向けるきっかけにしたい研究です。
友達は天然のワクチン!?
手洗いより効果的な免疫力を上げる12の人間関係
人とのつながりは、心の支えだけでなく、身体の健康とも関係するのでしょうか。
1997年、シェルドン・コーエン博士らは、276人の健康な成人を対象に、社会的関係と風邪の発症との関連を調べました。※3
参加者に風邪の原因となるライノウイルスを投与し、その後の発症を観察した研究です。※3
多様な関係を持つ人ほど風邪を発症しにくいという結果が見られましたが、手洗いとの効果比較は行われていません。※3
ウイルスにさらされた後の発症を調べた実験
参加者は、18歳から55歳までの健康な成人でした。※3
社会的関係を調べた後、2種類のライノウイルスのいずれかを含む点鼻液を投与し、隔離下で風邪の発症を観察しました。※3
感染の確認に加え、鼻の症状なども評価しています。※3
結果として、人間関係の種類が多い人ほど、風邪へのかかりやすさが低い傾向を示しました。※3
年齢、性別、ウイルスの種類、投与前の抗体などを統計的に調整しても、関連は残りました。※3
ただし、人間関係を増やす介入を無作為に割り当てた実験ではありません。
12種類は「12人の友達を作る」という意味ではない
研究では、社会的な関係への参加を12種類のカテゴリーで評価しました。※3
配偶者、親、友人、同僚、社会的な集団のメンバーなど、異なる役割や関係を数える方法です。※3
注目したのは、単純な友達の人数だけではなく、関係の種類の多さでした。※3
関係が1〜3種類の人は、6種類以上の人に比べ、調整後の風邪の相対リスクが4.2倍でした。※3
ただし、12種類すべてをそろえる必要があるという意味ではありません。
同じ人数の同僚と趣味仲間を直接入れ替えた場合の効果も、この研究からは分かりません。
人とのつながりと健康を結ぶ仕組み
研究では、睡眠や喫煙などの生活習慣、ホルモンに関連する指標も検討されました。※3
こうした要因は、社会的関係と発症との関連の一部しか説明しませんでした。※3
ストレスや生活習慣を通じて健康と関係する可能性はありますが、仕組みを一つに断定することはできません。
この研究だけで、人との交流が特定の免疫細胞を必ず活性化すると説明することもできません。
「免疫力」という広い言葉だけでまとめるより、実際に確認された風邪の発症との関連を知ることが大切です。
友達が多ければ感染対策を減らしてよいという結論にはなりません。
社会的なつながりを、健康の一つの側面として見る
今回の結果は、健康を考える際に、人との関わりにも目を向ける材料になります。
ただし、交流するほど必ず風邪を防げると分かったわけではありません。
人と接する機会が増えれば、感染の機会が増える場面もあります。
関係の数を無理に増やすことより、安心して関われる相手や場所を大切にするという考え方もできます。
人とのつながりは、手洗いなどの対策に取って代わるものではなく、暮らしや健康を考える別の側面です。
「天然のワクチン」というタイトルの表現も、実際のワクチンと同じ効果があるという意味ではありません。
多様な社会的関係を持つ人ほど、ウイルス投与後に風邪を発症しにくい傾向が報告されました。※3
ただし、交流を増やすことで必ず予防できると証明した研究ではありません。
普段の健康管理とともに、無理のない人とのつながりも大切にしたくなる結果です。
Xのコメントまとめ
それでは、今回の投稿と引用元で取り上げられた顔の好みについて、Xで寄せられた反応をご紹介します。
以下の4件はそれぞれの投稿への返信で、最後の1件は話題の背景となった引用元の投稿です。
個人の意見であり、男女全体の好みを示す調査結果ではありません。
話題の背景となった引用元の投稿はこちらです。
筆者のコメント
女性が憧れる顔を紹介する投稿から、好きなものを誰かと語り合う時間の楽しさを思い出しました。
自分が素敵だと思う人について話したとき、相手が同じところを好きだと言ってくれると、それだけで少し嬉しくなることがあります。
逆に、自分が気づいていなかった魅力を教えてもらうと、その人の見え方が変わることもあります。
今回の投稿をきっかけに、そうした会話が生まれているところにも、注目したいと感じました。
ただ、女性の憧れを一つの形にまとめる言葉には、共感する人と、違和感を持つ人の両方がいると思います。
好みは、それまで見てきた作品や、自分の経験によっても変わるものだからです。
多数の人の意見を調べた結果として読むのではなく、投稿した人の考える憧れの姿として受け止めるのが自然だと感じます。
返信には、その分け方は違うのではないかという声も、男女ともに憧れる顔だという声もありました。
どれか一つを正解にするより、いろいろな受け止め方が並ぶこと自体に面白さがあります。
好きなものについての会話は、相手と同じ意見になるためだけにするものではありません。
自分には分からなかった感じ方を知る時間としても、価値があると思います。
今回取り上げた幸福感の研究を読むと、私たちの気持ちは、人との関係と無縁ではないのだと考えさせられます。
もちろん、芸能人の写真を共有すれば、研究で示された数値のとおり幸せになるという話ではありません。
それでも、好きな話題を安心して話せる相手がいることは、日々の暮らしの支えになりそうです。
同じ俳優を応援していても、好きな役や印象に残る作品が違えば、会話はさらに広がります。
その違いを歓迎できる関係のほうが、私は気持ちよく楽しめると感じます。
人間関係と風邪の発症を調べた研究も、健康を考える際に、生活のつながりという視点があると教えてくれました。
ただし、交流を増やせば体調が良くなると単純に期待するのは違うと思います。
無理に人に会い続けたり、苦手な関係まで維持したりすることを勧める結果ではないからです。
一人で過ごして落ち着ける時間と、人と話してほっとする時間を、自分の生活に合わせて持てたらよいと感じます。
好きな芸能人の話も、誰かの容姿を評価して競うものになると、楽しさが薄れてしまいます。
その人の魅力を言葉にすることで、作品や新しい話題に出会える方向へ広がってほしいです。
憧れを共有するときほど、別の好みを持つ人も安心して参加できる言葉を選びたいと思います。
今回の投稿が、自分の好きなものを知るとともに、人との会話を楽しむきっかけになれば嬉しいです。
引用文献
-
※1 Fowler・Christakis(2008)「Dynamic spread of happiness in a large social network」
https://www.bmj.com/content/337/bmj.a2338 -
※2 Cacioppoほか(2009)「Alone in the crowd: the structure and spread of loneliness in a large social network」
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19968414/ -
※3 Cohenほか(1997)「Social Ties and Susceptibility to the Common Cold」
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/417085




























