
高須克弥さんが「父親の義務」として息子を守る姿勢を示し、強い言葉を添えて意思を表明しました。
そこで今回は、父親としての発信に注目し、次の4つの構成でニュースと知っておきたい豆知識をご紹介します。
- 高須克弥さんがつづった父親としての思いのニュース紹介。
- 「ネットの声の偏りと権利侵害への対応」に関する2つの豆知識。
- あなたも99%側?ネットで発言するのはたった1%、残りは「ROM専」という驚きのデータ
- ネットの誹謗中傷「誰が書いたか」を突き止める時間が劇的に半減した!?泣き寝入りしなくていい時代へ
- Xのコメントまとめ。
- 筆者の感想。
このニュースを追いながら、ネットの意見の見方や対応の仕組みにも触れ、心配する気持ちをどのように言葉にするか考えるきっかけになればうれしいです。
まずは、高須克弥さん自身が伝えた内容を見ていきましょう。
高須克弥さんがつづった父親としての思いのニュース情報
高須克弥さんが息子への思いをつづった投稿はこちらです👇。
高須さんが父親として思いを伝えた投稿を入り口に、ネットで見える声の偏りと、権利侵害を受けたときの制度にまつわる2つの豆知識をご紹介します。
あなたも99%側?ネットで発言するのはたった1%、残りは「ROM専」という驚きのデータ
SNSで何万もの「いいね」や炎上コメントを見ると、「みんな活発に意見を言っている」と思いがちです。
しかし実際には、オンラインコミュニティでは、少数の活発な投稿者に発信が偏る傾向があります。※1
これは「90-9-1の法則」と呼ばれ、インターネット研究の第一人者ヤコブニールセンが2006年に発見した法則です。※1
90%の人は「見ているだけ」
この目安では、約90%は閲覧中心の「ラーカー」、約9%は時々投稿する人、約1%は頻繁に投稿する人とされます。※1
彼らは記事を読み、動画を視聴し、投稿を眺めますが、自分からは一切コメントや投稿をしません。
ただし、この割合がすべてのサービスや時代に当てはまるわけではありません。
動画の再生回数だけから、コメントした人数をこの割合で計算することはできません。
9%は「たまに反応する人」
残りの9%の人々は、時々投稿やコメントなどで参加します。※1
しかし彼らも定期的な投稿者ではなく、特に興味を引かれた内容にだけ反応する傾向があります。
この層は「時々貢献する人」として、コミュニティの活性化には重要な役割を果たしています。
ただし、継続的に情報発信をするわけではないため、発信への関わり方は頻繁な投稿者とは異なります。
1%の「スーパー投稿者」がすべてを動かす
このモデルでは、頻繁に投稿する約1%に、投稿の多くが集中します。※1
この1%の人々が、オンラインコミュニティで目にするコンテンツの大半を生み出しているのです。
ただし、個々の炎上で書き込む人が1%以下になると確定したものではありません。
つまり「ネット上で大炎上」と報道されても、投稿数だけで、その意見が社会全体の多数派かどうかは判断できません。
この法則を知ると、SNSでの「多数派の意見」が本当に多数派なのか、疑問に思えてきます。
声の大きい1%の意見が、残り99%の沈黙する大多数の意見を代表しているとは限りません。
ネット上の議論を見るときは、「これは全体の何パーセントの人が言っているのだろう?」と冷静に考えることが大切です。
ネットの誹謗中傷「誰が書いたか」を突き止める時間が劇的に半減した!?泣き寝入りしなくていい時代へ
ネットで誹謗中傷を受けた場合、匿名の投稿者の特定に向け、「発信者情報開示請求」などの手続きが使われます。※2
従来は複数の手続きを経ることが多く、被害者の時間や費用の負担が課題でした。※2
2022年10月、この問題を解決する「改正プロバイダ責任制限法」が施行され、新たな発信者情報開示命令の制度が始まりました。※2
従来は2段階の手続きとなることが多かった
改正前の制度では、サイト運営者と接続事業者に対して、段階的に開示を求める方法が多く使われていました。※2
まず「コンテンツプロバイダ(TwitterやInstagramなど)」に対してIPアドレスなどの開示を、仮処分などの手続きで求めます。
次に、そのIPアドレスを元に「アクセスプロバイダ(NTTやKDDIなどの通信事業者)」に対して契約者情報の開示を求める2回目の訴訟を起こす必要がありました。
必要な手続きや所要期間は、投稿先や情報の保有状況によって異なります。
新制度「発信者情報開示命令」の誕生
改正法で創設された「発信者情報開示命令」は、一連の開示を非訟手続きで進める新しい選択肢を設けました。※2
裁判所が「非訟手続き(通常の裁判より簡易な手続き)」で、コンテンツプロバイダとアクセスプロバイダのそれぞれへの申立てを関連づけて進められる仕組みが整えられました。※2
ただし、両事業者への申立てが不要になるわけではなく、必ず同時に開示される制度でもありません。※2
手続きの効率化は期待されますが、所要期間が一律に半減すると約束されているわけではありません。
それでも残る課題
期間短縮は大きな進歩ですが、依然として課題は残っています。
注意したいのは、アクセスプロバイダなどが保有するログの保存期間が事業者によって異なることです。
誹謗中傷を受けてから開示請求までに時間がかかると、ログが削除されて発信者を特定できなくなる可能性があります。
また、海外のSNSサービスや、VPNを使った匿名化通信の場合、開示請求自体が困難なケースもあります。
2022年の制度開始は、ネット上の権利侵害への救済手段を広げました。※2
なお、現在は情報流通プラットフォーム対処法という法律名で制度が運用されています。※2
ただし、必要な期間や費用は事案や依頼内容によって変わり、特定を必ず実現できるわけではありません。
本当に必要なのは、「誹謗中傷を特定して罰する」社会ではなく、「誹謗中傷が起きない」社会です。
私たち一人ひとりの意識改革が求められています。
Xのコメントまとめ
続いて、今回の表明への返信1件と、高須さん親子に関する写真付き投稿2件をご紹介します。写真付き投稿には過去の投稿も含まれます。
筆者のコメント
高須克弥さんの今回の投稿を読んで、ネット上の言葉が、本人だけでなく家族にも届くのだと改めて感じました。
画面の向こうでは、発言した人と反応した人の二人だけの出来事のように見えることがあります。
しかし、その周りには、家族や一緒に働く人、日々その仕事を頼りにしている人たちがいます。
幹弥さんを守るという父親の言葉は、その当たり前の広がりを思い出させるものでした。
私が重く受け止めたのは、医師の腕に関わる話が背景として引用されている点です。
仕事を続けるために欠かせない身体を傷つけるという話は、単なる勝ち負けの演出として受け取れない人も多いはずです。
もし自分の家族がそうした言葉の対象になったら、落ち着いて眺めてはいられないと思います。
ただ、だからこそ、情報を紹介する側は慎重である必要があります。
克弥さんが直接書いた文章と、引用先が説明している経緯を混ぜれば、確認できた範囲以上に話を大きくしてしまいます。
投稿に書かれていない法的な判断や、これから起こることまで決めつけるのも違うでしょう。
私は、短い投稿の力強さを伝えるときほど、どこまでが本人の言葉なのかをはっきりさせたいです。
また、返信欄で多く見える意見が、そのまま読者全員の意見とは限らないことも忘れたくありません。
心配していても書き込まない人や、経緯が分かるまで判断を待つ人もいるはずです。
目立つ言葉を集めただけで、世の中の結論が出たように扱うと、静かに見守る人の存在が見えなくなります。
今回のような話題では、強い反応が目につきやすいからこそ、一歩引いた読み方にも意味があると感じます。
父親の心情に共感することは、別の人を無制限に批判してよい理由にはなりません。
誰かの安全を願うなら、自分の言葉も相手を追い詰めるものでないか確かめたいです。
そして、心配する気持ちを表すなら、対立をあおるより、安心して仕事を続けてほしいと伝えるほうが私にはしっくりきます。
著名な人の発信は短い文章でも広く届き、そのたびに多くの解釈が生まれます。
その広がりに自分も参加できるからこそ、拡散する前に一度立ち止まる責任があるのでしょう。
この件が、誰の言葉がより強かったかを競う話にならず、身体や生活を脅かすような言葉をどう受け止めるか、考える機会になってほしいです。
私も、家族への思いには耳を傾けながら、確認できた内容を落ち着いて追う姿勢を大切にしたいと思います。
引用文献
- ※1 Nielsen Norman Group『The 90-9-1 Rule for Participation Inequality in Social Media and Online Communities』。
https://www.nngroup.com/articles/participation-inequality/ - ※2 東京地方裁判所『発信者情報開示命令申立て』/発信者情報開示命令事件手続規則。
https://www.courts.go.jp/tokyo/saiban/minzi_section09/hassinnsya_kaiji/index.html
制度開始日の確認:発信者情報開示命令事件手続規則(附則)。
裁判所の規則本文




























