
老舗も含めた和菓子店の倒産が相次ぎ、値上げの難しさや技術を引き継ぐ課題が改めて伝えられています。
そこで本記事では、今回の報道を入り口に、気になる情報や役立つ豆知識などを、以下の4つの構成でご紹介します。
- 和菓子店の倒産が過去最多ペースとなったニュース紹介。
- 「企業の存続と経営データの読み方」に関する2つの豆知識。
日本経済に鳴り響く警鐘!1日⚪︎⚪︎社が倒産する現実がやばすぎる
日本企業統計データが明かす8つの経営トレンド総まとめ - Xのコメントまとめ。
- 筆者の感想。
今回のニュースに注目しながら、企業の存続と経営データの読み方にまつわる豆知識も身につけていただき、身近なお店が続くために必要なことを改めて考えるきっかけになれば幸いです。
それでは早速、和菓子店の倒産を伝えたニュースから見ていきましょう。
和菓子店の倒産が過去最多ペースとなったニュース情報
今回の和菓子店の倒産に関するニュースを紹介します👇
今回の和菓子店の倒産ニュースをきっかけに、日本企業の統計へ視野を広げ、企業の存続と数字の読み方にまつわる2つの豆知識をご紹介します。
日本経済に鳴り響く警鐘!
1日⚪︎⚪︎社が倒産する現実がやばすぎる
倒産という言葉は、普段の暮らしから遠い話に感じることがあります。
しかし、身近なお店や勤務先を含め、企業が事業を続ける難しさを示す統計があります。
ここでは現在の年次結果ではなく、東京商工リサーチが公表した2024年度の確定値を振り返ります。※1
全国の倒産は1万144件、1日平均では約28件
2024年度、つまり2024年4月から2025年3月までの全国企業倒産は1万144件でした。※1
対象は負債額1,000万円以上の倒産で、前年度より12.0%増加しています。※1
2013年度以来、11年ぶりに1万件を超えました。※1
365日で割ると1日平均約27.8件となりますが、毎日同じ件数が発生したという意味ではありません。
人手不足関連の倒産が約1.6倍に増加
人手不足関連の倒産では「求人難」が122件、「人件費高騰」が110件、「従業員退職」が77件でした。※1
この3分類の合計は309件で、前年度の192件に対して約1.6倍です。※1
売る商品や受注があっても、人を確保できなければ事業の継続が難しくなる場合があります。
採用だけでなく、働く人が続けられる環境や技能の引き継ぎも、経営を考えるうえで欠かせません。
負債1億円未満が全体の75.4%を占める
負債額1億円未満の倒産は7,658件で、全体の75.4%を占めました。※1
これは負債額による分類で、従業員数や売上高による企業規模の分類とは異なります。
負債100億円以上の倒産は11件で、前年度の19件から減りました。※1
最大の倒産は、旧三菱航空機のMSJ資産管理で、負債額は6,413億円でした。※1
倒産件数の増加を、一つの原因だけで説明することはできません。
価格転嫁、人材確保、資金繰りなど、企業ごとに異なる課題を見ていく必要があります。
数字の背景を知ることで、身近なお店の経営も、以前より具体的に考えられるのではないでしょうか。
日本企業統計データが明かす8つの経営トレンド総まとめ
日本の企業を取り巻く環境は、複数の統計を並べることで違った角度から見えてきます。
ここでは社長年齢、倒産、企業の存続、本社移転、社名やブランドの情報を振り返ります。
異なる年や対象の資料を組み合わせているため、すべてを同じ年の出来事として読むことはできません。
高齢化と事業の引き継ぎを考える
2024年の社長平均年齢は60.7歳で、社長交代率は3.75%でした。※2
2024年度の全国企業倒産1万144件とは別の調査であり、この二つだけで直接の因果関係は分かりません。※1※2
経営者の交代に加え、取引や技能を誰が引き継ぐかも、事業継続を考えるうえで重要です。
また、2022年に倒産した企業の平均業歴は23.3年でしたが、これは日本の全企業の平均寿命ではありません。※3
企業の生存率と倒産企業の構成比を区別する
2023年版中小企業白書では、日本の起業後5年の企業生存率を80.7%としています。※4
ただし、企業データベースの特徴から、実際より高めに算出されている可能性があると注記されています。※4
2022年の倒産企業のうち、業歴10年未満が29.6%だったという数字は、創業企業全体の倒産確率とは異なります。※3
2025年上半期の首都圏への本社移転200社も、全企業の生存率を示す数字ではありません。※5
社名とブランドから差別化を考える
2016年に公表された東洋経済の独自集計では、「アシスト」という社名の法人が1,051社ありました。※6
これは当時の法人番号データによる集計で、現在の社数とは区別する必要があります。※6
色使いはブランドの印象づくりに用いられますが、「色を使えば認知度が一律80%上がる」とは言い切れません。
名前や見た目に加え、商品やサービスの実際の体験を通じて違いを伝えることも、筆者は大切だと考えます。
今回取り上げた8つの切り口は、社長年齢、社長交代、倒産件数、人手不足、業歴、企業生存率、本社移転、ブランドです。
各数字は調査年や母集団が異なり、一つの結論を直接証明するものではありません。
対象と条件を確かめながら読むことが、経営ニュースを理解する第一歩になります。
Xのコメントまとめ
それでは、和菓子店の倒産ニュースについて、Xで寄せられたコメントを紹介します。
以下は各投稿者の感想や見解であり、倒産の原因をそれぞれ証明するものではありません。
筆者のコメント
今回のニュースで私が気になったのは、長く続いてきた店にも、これまでのやり方だけでは乗り越えにくい変化が起きているという点です。
老舗という言葉には安心感があり、私たちは実績の長さを、そのまま将来の安定と結び付けてしまうことがあります。
しかし、過去に愛されてきたことと、これからも必要な利益を残せることは、別々に考えなければならないのでしょう。
和菓子の価値が急になくなったわけではなくても、買う機会や贈り物を選ぶ習慣は変わっていきます。
その変化を一店舗だけで受け止めるのは、想像以上に大変だと思いました。
原材料が上がった分を価格へ反映したい気持ちと、お客さんを失いたくない気持ちは、どちらも理解できます。
値上げをすれば解決するとも、安くしていれば支持されるとも、簡単には言えないところに難しさがあります。
また、店を支える人の存在は、商品の値札からは見えにくいものです。
菓子づくりに慣れた人が一人抜けるだけでも、仕込みや販売の組み立てが変わる店はあるのではないでしょうか。
採用できるかだけでなく、次の人に教える時間を確保できるかも、事業を続けるうえでは大切だと感じます。
今回の豆知識で紹介した倒産統計は、こうした問題を一つの店だけの出来事として見ないための手がかりになります。
一方で、件数が増えたという結果だけから、すべての会社に同じ原因があったとは判断できません。
調査年や分類をそろえて確かめることは、地味でも欠かせない作業だと思いました。
企業生存率についても、強い数字ほど印象に残るからこそ、出典を確かめる姿勢を持ちたいです。
倒産した企業の内訳と、起業した企業が残る割合では、数字の意味が違います。
この違いを知らないまま読むと、必要以上に悲観したり、逆に現実を軽く考えたりしてしまうかもしれません。
Xには、好きな店がなくなる寂しさや、食べ物を売る仕事の難しさを感じる声が見られました。
個々の感想は統計の代わりにはなりませんが、数字の先にある暮らしを想像するきっかけにはなります。
店の閉店は、買い物先が一つ減るだけでなく、思い出を共有する場所がなくなる出来事でもあります。
私たちができることは大きくなくても、必要なときに地域の店を選ぶことや、初めての商品を試すことはできます。
同時に、事業の引き継ぎや経営の相談につながる仕組みも、使いやすくなってほしいと思います。
今回のニュースを、一時的に驚いて終わる話にせず、好きなお店をどう未来につなぐかを考える入口にしたいです。
引用文献
- ※1 東京商工リサーチ「2024年度(令和6年度)の全国企業倒産1万144件」
https://www.tsr-net.co.jp/news/status/detail/1201244_1610.html - ※2 帝国データバンク「全国『社長年齢』分析調査(2024年)」
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20250325-presidentage2024/ - ※3 東京商工リサーチ「平均寿命23.3年 ~2022年 業歴30年以上『老舗』企業の倒産~」
https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1197369_1527.html - ※4 中小企業庁「2023年版中小企業白書 第2節 起業・創業」
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2023/chusho/b2_2_2.html - ※5 帝国データバンク「首都圏『本社移転』動向調査(2025年上半期)」
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20250918-relocation25y1-6/ - ※6 東洋経済オンライン「独自集計!日本の『ありがち社名』トップ1000」(2016年3月12日)
https://toyokeizai.net/articles/-/108954




























